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「今日の献立問題」への提案

「今日の献立問題」とは

「ご飯何が食べたい?」

「なんでもいい」

よくある会話だ。子どもとお母さんの間でもあるし、カップル同士、友達同士でもよくある。そして、このように返すことが多い。

「えー、なんでもいいなんて困るよ」

ここまでもあるあるだが、よく考えてほしい。そもそも「何が食べたい?」と聞かれてどれ程希望が叶えられるのか。

 

私の場合、食生活が乱れてるので、ときどき猛烈に夕飯に中華まんだけを5個くらい食べたいこともあるが、おそらく今夜の献立には採用されない。また、カレーと答えたのに食材の都合でシチューになるなんてこともあるだろう。

 

さらに、外食の場合、予算、店の場所、雰囲気、評判、混み具合とかいろいろな情報が関わってくるので「イタリアン!」と答えても、先の理由からイタリアンが採用されないことはよくある。そのうえ、「イタリアンが良かったのに、ファストフード店になってごめんね」なんて相手に余計な気を遣わせることになるのだ。これでは、「イタリアンを食べたい」と主張しただけになってなんだか気恥ずかしい。

 

 つまり、「何が食べたい?」で求められる答えは、シチュエーションに相応しい料理かどうか、冷蔵庫事情、店の状況など様々な条件をクリアした条件じゃないと採用されない。それを踏まえると「なんでもいい」と答えて相手に任せる方が良さそうだ。しかし、それはそれで、質問者もメニューを決められなくて困るのだ。この問題を「今日の献立問題」と名付ける。

 

「今日の献立問題」の問題点

「何が」とか「なんでもいい」とか曖昧な聞き方や返答は混乱をもたらす。難しいのだ。

 

少し話が変わるが、私は、学部時代に塾のアルバイトや教育実習で子どもたちに国語を教えることがあったが、記述問題になると手が止まる子をたくさんみた。何も文字を書くことができない子も多い。選択問題や一問一答式とは異なり、記述問題のような何にもないところから答えを書き出すことは、日本人は苦手なのかもしれない。今日の献立問題も同様だと思う。

 

そもそも、国語の長文の記述問題は試験や問題集だと少数しか出ない。しかも、長文の記述問題であっても、だいたいの問題はあれこれと細かい指示をしてくれている。

ところで、我々は長い学校生活のなかで、細かく指定された問題に慣れているのではないか。国語の例を挙げる。

 

①「傍線部の時のA子さんの行動の理由を答えなさい」

②「次のカタカナを漢字に直しなさい」

どちらも何を答えればいいか明確である。

また、苦手な子が多い記述問題にしても、

③「このとき、A子さんの心情はどう変わりましたか。80文字程度で本文の言葉を使って答えなさい」

なんて風に細かく指定してくれてることが多い。

「あなたの考えを自由に書きなさい」なんて問題の方がレアだ。③のような記述問題でも難しいのだから、何もないところから自由にその場に合った献立を答えるなんて③のような問題より高度かもしれない。今日の献立問題はそれほどに難問なのだ。

 

 このように、我々は学校教育を通してある程度親切な問題に慣れているのに、今日の献立問題は無情にも「何が食べたい」なんて難解な問いを発する。しかも、答え方の指定がないから、自由に答えて良さそうなのに、自由に答えると、質問者側も困ってしまうという、誰も得しないことが多い構造になっているのだ。国語の問題だと質問者側はバツをつけて答案を返却して終わりでいいが、献立問題はそうはいかない。バツをつけた上で共に別の答えを探さなければならないのだ。

 

「今日の献立問題」への提案

 そんなわけで提案する。ある程度最初から質問も解答方法も絞ればいいじゃないか、と。合理的だ。つまり、「なんでもいい」と答える解答者が悪いのではなくて、問題が悪いのだ。悪問だ。出題方法を改善すべきなのである。

 これからの教育では、自分の考えをしっかり述べる力が求められるようになると聞いたことがあるが、今日の献立くらい別にいいだろう。そんなこと気にせず、決めやすい方法で、ぱっと店を決めて、すぐに満腹になればいいのだ。

 

①質問に簡単な条件を加える

「何が食べたい?」と聞くけども、質問者側には様々な都合があるだろう。それは仕方がない。それならば、最初から自分の都合も伝えておこう。これは、学力テストだって採用してるじゃないか。「30字以内で答えなさい」みたいに。だから、質問者も自分の都合を加えていくとスムーズに伝わると思う。

 例えば、「予算1500円」「徒歩五分」と最初から最低限の条件を示しておけば、遠方の高級コース料理が選ばれることはないだろう。

 

②質問の仕方を変える

「何が食べたい?」って聞くと、いかにも解答者の意向が尊重されそうだが、①で挙げたように質問者側にも様々な都合があるために決してそんなことはないのだ。だから、例えば、日本語的に「何が相応しいですか?」とか「何が正しいと思いますか?」などと聞くべきだろう。

そうすれば、「せっかくのデートなのに空気読んでくれよ。」とか「夕飯なんだから、ケーキなわけないでしょう。ちゃんと考えて。」なんてことにはならない。

曖昧な「何を食べたい?」じゃなくて、様々な制限がある中で、「どれが正しいと思うか(複数解答有り)」を導かせる発問をしなければならない。

 

③加点や減点の基準を示す

「えーデートでラーメン?それはちょっと……。(空気読めよ)」とか言われても何がダメなのか解答者にはわからない場合がある。最低限の条件は問題文に示しておいて、それとは別に明確な加点減点の基準を示すべきである。「デートに合った雰囲気のいい店だと加点」「カウンター席は減点」などの基準があれば、なるべくいい得点を取ろうと努力するだろう。ただ、あんまり採点基準をつけすぎるとモチベーションが下がる気もするので、こだわりだけを少数絞ると良さそう。

また、ここは、①の条件とは違ってある程度寛容になる必要があると思う。①では絶対守ってほしい条件を示し、こちらでは、「こうだと嬉しいな」くらいの願望をそれとなく示すことができたら良いのかな。無理して示す必要もないと思うけど。「空気読めよ」って不満に思うのを防ぐためって感じ。

 

無理やり書いた

無理やり長々と書いたけど、③みたいにもめたことはないかもしれません。どうしても苦手なもの以外は、だいたいのものをバクバク食べるからですかね。虫とかだったら、ちょっと困るけど。

何食べたい質問、他の人はなんて答えてるのか気になります。特に、お母さんに対する返答。