とりめも

東京のおいしいインドカレーの店を教えて

クソダセェ喪女がケーキ屋でバイトをしていた話

学生時代に半年ちょっとケーキ屋でバイトをしていたことがあります。学部1年で、一番年下でした。

 

そのとき住んでいた京都の最低賃金のお給料でしたが、バイトの面接を10箇所くらいお祈りされ続けていた自分は選り好みする身分でもなく、「ありがたやありがたや」と両手のひらをさすりさすり、働くことにしました。

 

関西にいくつかの支店があるケーキ屋で、京都に住んでる人なら看板は見たことあるだろうって感じのお店です。

 

ケーキ屋のお仕事って

女の子なら憧れたことのある人も多いのではないでしょうか。キラキラ可愛いスイーツに囲まれた、ほんわかしたお仕事……。

 

そんなもん幻想だ(※私のいたところでは)

 

お仕事内容

私はケーキ屋の販売員でした。あと、洋菓子や焼き菓子、パンも売ってるお店でした。

覚えているものを羅列していくと、

 

食べ物を売る、お客さんが入店するときに扉を開ける、お客さんが帰るときに扉を開けてお見送り、お客さんが用事あるときに察して注目して声をかける、いい商品を宣伝する、ケーキの箱を組み立てる、ケーキの下に敷く紙などの物資を補給する、頼まれたらケーキにリボンをつけたりロウソクをつける、ケーキの残数をパティシエに確認する、頼まれたら焼き菓子などをラッピングする、チョコで文字を書く、店内の掃除、店外の掃除、パンやケーキの片付け、トレーや皿を洗う、ドライアイスをトンカチで割る、パンを切る、焼き菓子の箱詰めを作る、トングの煮沸、ケーキ触るときに使うゴム手袋の消毒、予約の受付、試食の準備、無茶な注文をなだめる

 

などなど。

どの職種にも通じると思いますが、たくさんお仕事があるんですね。

 

手が回らない

 

うちのお店の販売員の場合、業務終了までに接客業務に加え、資材の補給や箱詰めの製作、皿洗いなどの個人に割り当てられた仕事を並行してうまいことやらなきゃなりませんでした。

 

要領が悪すぎる私には、それが難しくて難しくて。こっちとしては業務終了までに皿洗いが済んでないと怒られるのに、どんどん客が来る、やめてくれ〜〜〜みたいな。客からしたら、知らんがなって話ですが。そして、接客も個人に割り当てられた仕事もボロが出て二重三重に怒られる負のスパイラル。

 

当時は、なんでそんなこともできないの、と言われるたびに「私は他人よりどこか劣ってるのかもしれない」と真剣に考えてました。

 

女性が多い

これが一番しんどい。

 

もちろん全部がそうとはいいませんが、女性が多い職場って、荒れやすいと思います。とくに、業務内容が多くてみんなストレスをためている場合。

 

みんなが一緒じゃないとおかしい みたいな風潮があった気がします。

 

言い方が小汚くて申し訳ないのですが、わりと学術から縁遠い人が多く、愛想のいい人が多い職場だった気がします。公立中学でクラスを牛耳る女子の集まりみたいな。

 

当時の私は彼女らからすると正反対でした。極端な短髪、メガネ、化粧ももっさい。人と目を合わせられないし、愛想も悪い。雑談できずヘラヘラ笑ってるだけ。オタサー所属で私服もダサい。講義入れすぎで飲み会にもいかないし、とかくノリが悪い。

 

学部一年生で意識は高かったので勉強は頑張っていたかもしれないけど、そんなものこの職場では評価されるわけもない。救いようがないルックスでオドオドしてりゃ、陰口も言われるわけだって。

 

今考えると「クソダセェ喪女」なわけです。華やかなケーキ屋で浮くに決まってる。なんで採用されたんだって。(喪女でもコミュ障でもオタクでも全部当てはまりそうなのでなんでもいい気もしますが、とりあえず)

 

唐突に「千鳥さんって友達いるの?」って聞かれて、「あまりいないです」って答えてなぜか説教をされたあの日。当時は理解不能だったが、彼女らの中では友達の多さは大事なことなのだから、それがないなんて信じられなかったのでしょう。いまならわかる。しかも、一番年下だし、ちょっと説教めいた助言くらいしてやりたくなるのだろう。

 

当時は、「私はお互いに仲の良い友人が1人でもいれば満足なのに……」って不満だったが、そういう話じゃない。そもそもの文化が違うんだ。

 

今考える適応できなかったわけ

①クソ真面目にできない理由を思いつめすぎた

当時は仕事ができないことをクソ真面目に悩んでました。なぜ自分だけできないのだろうと。今、ほかのアルバイトや非常勤講師などを経て考えるに、「業務が多すぎることに気づけ」ということです。

 

職場で生き残る人たちは、適性があるからやれてるわけで、バイト初心者の自分がすぐにできるとは限らないのです。

 

当時は、「自分はみんなができることができないからなんかの病気なんじゃないだろうか」と真剣に考えてました。

 

たぶん、そうじゃなく、たくさんの仕事を同時にスピーディにこなす適性がなかっただけだと思います。そのあとに、バイトを塾講師に変えたり、漢文にまつわる文章の校正や小学校の非常勤講師もやりましたが、そこではここまでの問題は起きなかったし。褒められることもあった。

 

自分の場合、知的労働や人に何かを伝える仕事の方が合っていただけの話でしょう。

 

②文化が違うということがわからなかった

高校出たてで、上の人が言うことは正しいと思い込んでる節がありました。

 

なので、女性が多い職場特有(※例外はたくさんあると思います)の、みんなで足並みをそろえる感じや、見かけの華やかさや交友関係を重視することができていない自分に対して、「ダメなんだなあ」と思い込んでしまう。

 

そんなもん、場所が変われば雰囲気も変わる。

 

ケーキ屋をやめてから、いろんな団体に飛び込んで知りました。よかった。

 

大学四年のゼミは、中国思想のゼミで、隠逸思想の話や纏足の話ばかりしていたし、周りは死体同士を結婚させる冥婚の話や東洋医学の話をしていた。それがジャスティスな文化の空間もあるわけで。

 

ケーキ屋の良かったところ

disるつもりはなかったのですが、そんな感じになりそうなので……。

私が人間関係に適応できなかっただけで、ケーキ屋自体は素敵だと思います!

わざとらしくいいところを書いて終わりにします。 

 

  • 不機嫌な客が少ない

ケーキを買いに来る時ってだいたいはウキウキしてますよね。お客さんの機嫌がいいのは、バイト初心者にはいいことです。変な注文はあっても、クレーマーは少ないのではないでしょうか(いるけど)。

 

  • ケーキの味の違いがわかるかも

試食をたくさんしました。お客さんに味を伝えなきゃならないので。普段適当に食べてても、やっぱり材料によって味は違うし、プロのパティシエからこだわりのポイントを聞けるのはデカいですね。生クリームにラム酒いれると、しつこくない味になるんだよ、とか。

 

  • 小ワザが身につく

簡単なラッピングやチョコで文字を書く技術が身につきます。まだ活用したことないけど。

 

  • 人と話すのがこわくなくなるかも

うちの場合、お客様に対して、ものすごく丁寧な接客を要求されました。ドアの開け閉めやお見送り。「行ってらっしゃいませ」「こちらのケーキでよろしゅうございますか?」とか言ってました。

ほかのバイトや仕事するにあたり、丁寧だね〜〜って言ってもらえることが多くなりました。

あと、おじいちゃんおばあちゃんのお客さんが多いので、やわらかく話すことができるようになりました。

地方の進学校を出て大学生なりたてて、自己中心的で世間を知らない野生児みたいな自分には本当によかった。行儀良くなります。