はじめに
今年のクリスマスは生八つ橋(以下八つ橋とする。硬い方じゃなくて、柔らかい方。)を食べた。京都から友人が来ていて、持ってきてくれたのだ。3月まで京都に住んでいた私には懐かしい味だ。ニッキの香りが上品で好き。しかし、クリスマスに食べると、独特の存在感がある。和菓子だからだろうか。
↑丸鶏とケーキとチョコレートと並ぶ八つ橋。クリスマスって感じはしない。でも、とてもおいしい。
また、八つ橋に関しては常々疑問があるのだ。中身が練り餡である必要があるのだろうかということだ。現在、八つ橋は様々な味が売られている。そして、定番の抹茶だけではなく、チョコバナナ味だとか、さつまいも味なんかもある。で、だいたいが練り餡にいろんな味を加えているのだ。
↑今は色んな味が出ている。抹茶、きな粉、イチゴ。断面図はイチゴ餡。他のは皮に味がついていて、中身は普通の餡子だった。今回の写真は、「夕子」という商品名の八つ橋で、お土産にも人気。
なんせ、今の時代、「和スイーツ」なんて言葉もある。「和スイーツ」には色んな用法があって、単に和菓子を指すこともあるが、洋菓子と和菓子がコラボしたものを指すこともあるそうだ。今回は後者の意味を使う。八つ橋も苺みるく味やチョコレート味などが出ていて、和スイーツに踏み込んでいる感じがあるが、やはり、練り餡のようになめらかな餡を使用しているものが多い。
というわけで、
①関東でも八つ橋を気軽に食べたい
②脱練り餡八つ橋を作りたい
以上の理由から、和スイーツ八つ橋を創作してみることにした。そして、和スイーツ八つ橋が成功すれば、クリスマスに食べても違和感のない八つ橋を作れるかもしれない。
皮作り
実は、八つ橋は餡入りのものではなく、皮だけでも売っている。しかし、八つ橋の皮は関東ではなかなか手に入らない。さらに、だいたいが細長い長方形で売っていた気がするので、具材を挟めない可能性がある。なので、皮は手作りすることにした。ネットで調べると案外簡単にできるらしい。
↑市販の八つ橋を広げるとだいたい手のひらくらいだ。
材料
上新粉50グラム、白玉粉50グラム、砂糖48グラム、水140cc、きな粉(お好みで)、シナモン(お好みで)
材料は計りがないので目分量である。上新粉も白玉粉も100グラム入っていたので、だいたい半分くらいいれた。砂糖は1本6グラムのスティックシュガーを8本いれた。適当でもそれっぽいものはできたが、ちゃんと計量した方がいいと思う。
生地の作り方
①白玉粉と水を入れ、混ぜる。
②①に上新粉と砂糖を入れ、さらに混ぜる。
生地がサラサラだが、気にせずに。
③レンジで2分あっためる。
レンジから出すと、少し餅っぽい部分ができている!粘りも出てきた。生地がまだ水っぽかったので、上新粉を加えて調整。
④混ぜてからまたレンジで1分あっためる。
完全に餅だ!触ると適度な粘りがあるし、食べてみるとほのかに甘い。岡山で売ってるきびだんごに近い素朴さ。これだけでもおいしい。
こうして作った生地に、
⑤シナモンときな粉を混ぜたものを馴染ませ、
⑥伸ばして、切り分けていく
麺棒がなかったので、カセットガスの缶にラップを巻いて転がした。どうにかなる。
⑦完成!!
端の方を食べたが、完全に八つ橋の皮だ。正直、失敗すると思っていた。もちろん、市販のものには敵わないが、十分満足な味だ!!モチモチ感とニッキの香りを再現できている。きな粉は入れても入れなくてもよかったかも。
で、ここで、餡子を詰めていきたいところだがぐっと抑える。今回、和スイーツになってもらう材料はこれだ。
1.アイスクリーム:餅の生地のなかにアイスを包んだ商品もあるしいけるかなと。
2.ホイップクリームとスプレーチョコ:クリームは洋菓子の定番。スプレーチョコはテンション上がるから。
3.ジャム:酸味は合うのか試してみたい。イチゴだと季節によるけど、ジャムは年中楽しめる。
4.プリン:プリンパフェとかプリンどらやきとかあるし、いけるかなーと。安価だったし。
試食
こんな感じで包んでみた。
見かけは完全に八つ橋だが……。
オススメ順に紹介していく。
1.アイスクリーム
予想通り、シナモンとバニラの甘さは合う。餅の生地ともやはりマッチする。シナモンの苦手な子どもでも食べられるかも。ただ、皮を手作りしたので、まだ熱がとれておらず、食べようとしたらポタポタ垂れてきたので注意。
2ジャム
酸味とシナモンが喧嘩するかと思ったが、いいアクセントになっていた。餡子に飽きたときにいいかも。八つ橋とは別物の感じがするが、これはこれでアリかと。
3.ホイップクリームとスプレーチョコ
見た目が1番ポップで可愛い(包んじゃうけど)。やはり、カラースプレーチョコはテンションあがる。気分はパーティ。クリスマスにも勝てそう。ただ、味は完全にシナモンに負けていた。ホイップクリームじゃなくて、味の濃い生クリームやカスタードクリームにしていれば結果は違ったかも、と反省。
4.プリン
卵味が濃厚なプリンだったからか、シナモンと卵が互いに自己主張強く、喧嘩している感じがした。別のプリンだと違うかも。ただ、餅の中に餡とは違うクリーミーなプリンが入っている舌触りの良さや、香ばしいカラメルがシナモンに合うことがとてもよかった。まだその力は未知数だ。
おまけ:八つ橋クレープ
生地が余ったことと、この生地を見ていてひらめいた。クレープの皮に代用できるのではないかと。
というわけで、やってみた。
先ほど使ったクリーム、アイス、ジャム、チョコにこし餡とポッキーを加えた。プリンは乗せられなかった。やはり、スプレーチョコは盛り上げてくれる。
包むとこんな感じ。
食べた感想
・深夜に食べちゃいけない味。中身は定番ばかりなのでおいしい。カロリーのダムって感じ。生地に弾力があって食べごたえある。
・こし餡はやはり八つ橋の皮には合う。入れてよかった。
・皮が餅なので下を折りたたんでしまえば、クリームなどが垂れてこない。強度はクレープに勝っている。
・皮が餅なのでものすごく満腹になるのが早い。ミニサイズでよかった。
まとめ
・八つ橋は、餡や様々な味の練り餡で十分に完成されている食べ物だから、無理に「和スイーツ」にする必要あったのだろうかと思い知らされたが、アイスやジャムには可能性を感じる。まだ、開拓できそう。
・八つ橋の皮は簡単に作れる。火を使わないので安全でもある。バレンタインデーとかに和スイーツ八つ橋はどうだろうか。絶対印象に残るし、大和撫子っぽく思ってもらえるんじゃないだろうか。しかも、八つ橋の皮を作るまでは失敗することがなさそうだ。
・今回は餅の生地にばかりとらわれていたが、シナモンとの相性を考えるとうまくいきそう。
・和スイーツ八つ橋、八つ橋クレープ、どちらもあと何回か作ればかなり改良できそうだ。今回の料理でも満足な面は結構あったが、まだクリスマスでも食べれる八つ橋スイーツまでは遠い。材料も余っているし、もう少し練習して布教したい。