色々あって、文系だけどゲームつくってゲームのサミットに参加した。オランダ大使館で。
タイトルの通りです。滅多にない経験だと思うので、書かせてくださいね。
2月末に「第1回シリアス&アプライドゲームサミット」というイベントに参加してきました。
シリアスゲームとは、福祉や医療、教育などで使われるゲームで、オランダではアプライドゲームというらしいです。
オランダではこのシリアスゲームが急速に普及しているため、オランダとの共同開催というわけらしいです。だから、会場が日本のオランダ大使館。
このゲームサミットのお話です。
ゲームをやらせてもらった!
このイベントの中では展示もあり、学生さんが作ったゲームを体験させてもらいました。
体験させてもらったものを紹介。
■目線で敵を倒していく
まず、ゲームを始める前に「目線を登録します」といわれ、画面の前で指示に従ってキョロキョロしました。
第五回シリアスゲームジャムの最優秀作品の「ゴーゴンの館」。
このゲームは、ジョイスティックで車椅子の人の動きを体験していきます。また、目線を登録し、自分の目を敵に向けると敵が石化する仕組みも。自分の目で攻撃を出せるのが新鮮!
敵を目で倒すゲームって初めてで、目だけ動かせばいいのに、首も動かしちゃいました。
■車椅子で走り回って宇宙船のパーツを集める
こちらも車椅子のゲーム。「GO!ペティルGO!」。
車椅子の動きが再現されています。車椅子を操作して宇宙船のパーツを集めるのですが、車椅子の動きって難しく、かわいそうなくらい壁に当たりまくりました。
また、段差は通れないからスロープの配置が必要であったり、見落としがちなバリアフリーの大切さを学ぶことができるゲームでした。
どういうわけで参加したのか
さて、こんな感じのゲームのイベントに参加したのですが、どういうわけで参加したのでしょうか。
タイトルの「文系だけどゲームつくって」の部分を説明させていただきます。
私は現在、千葉大学の教育学研究科の大学院生で国語科の授業づくりに関する研究をしています。文系です。
しかし、ゲームづくりをやらせてもらいました。きっかけは、千葉大学とGREE株式会社さんのコラボ授業の「メディアリテラシー教育演習」という科目の受講です。
この科目では、教育ゲームを作り、小学生に授業実践を行うのですが、教育学部の学生は、授業で使うゲームの企画や素材やクイズづくりを担当し、プログラミング部分をGREEのエンジニアさんに担当してもらうことになっていました。こういうわけで、文系でも、ゲームづくりに参加できました。
この授業で行われたハッカソンでは、2日間六本木ヒルズに缶詰になり作業をすすめました。珍しくアタマをつかったため、糖分補給にチョコレートばかり食べて気持ち悪くなったのを覚えています。
私は、小学校6年生向けの家庭科ゲーム「SHOWTIME」に主にイラスト担当で携わらせていただき、そして、なんか偉い感じの人の審査の結果、私の所属しているチームが優勝チームとなりました。そして、優勝チームのゲームは改良されたものがリリースされるという。大学の授業なのに、なんだかいろいろすごい!
⬆︎賞状ももらった。可愛い!
※この授業で作成された他のゲームや詳しいハッカソンの様子はGREEさんのホームページに出ています。
千葉大学教育学部とICT活用の共同授業をフォトレポート ~第2弾 ハッカソン~ | GREE PR Blog http://pr.gree.jp/blog/2016/12/2146
⬆︎私達のチームのゲーム「SHOWTIME」。被服に関するクイズを解いて、正解数が多いほどたくさん服やアクセサリーを獲得できる。そして、コーディネートを完成させて、クラス内で共有。
そして、この授業での取り組みを「第1回シリアス&アプライドゲームサミット」というイベントで、講義担当の先生が講演・ゲームの展示をするというらしく、そのお手伝いをしないかという案内をいただきました。
面白そう!しかも、場所はオランダ王国大使館。さらに、第1回という記念すべきイベント。行くしかない。
そんなわけで、オランダ大使館にてゲームのサミットに参加してきました。
⬆︎オランダ大使館と言っても、オランダじゃなくて日本にあるやつ。東京タワーがとても近い。逆光。
自分たちの展示
プログラム前半の講演会が終わったら自分たちも展示の場所につき、展示の準備をしました。準備といっても、当日はiPadを設置するだけなので、楽チンですね。
⬆︎今年の実践からは家庭科と社会科のゲームが2つずつ。昨年度の実践からは国語科のゲームが1つ。たくさん!
私たちの「SHOWTIME」も様々な人に触ってもらいました。家庭科のクイズを真剣に解いていただき、コーディネートも楽しんでいただいて、それがみんな大人で、不思議な空間。
クイズは大人でも結構間違えるように作っているため、参加者の方が「えーー、こんなのわからない」とアタマをかいたり眉間にしわを寄せて悩みながら解いてくれました。小学校の家庭科って案外覚えてないですよね。
また、海外の方もゲームをやってくれたのですが、日本語のクイズなので伝わってなかったかも。「返し縫いレバー」とか、どうやって伝えればいいんですかね。
あと、「なんのゲーム?」って聞かれて、「ハウスワーク(家事)ですかね」って答えちゃったけど、惜しかった!「Home economics」が正解らしいですよ。賢くなりました。
加えて、最後に、「中二病ぽい服を描くのが大変だったんですよ〜〜」って聞かれてもないのにお客さんに言ってしまったから、ここでも言います。(写真は作成中の画面)
⬆︎ 中二病ぽい言葉は、友人に頼ったり。スペルを間違えてなければ、「Blind Justice(向こう見ずな正義)」「Guilty(有罪の)」「Innocent(潔白)」って書いたつもり。
おまけ
サミットのおわりには交流会もありました。オランダ王国大使館ということで、オランダ料理の軽食をご用意いただきました。オランダ料理といわれてパッと浮かぶものあります?私はありませんでした。
⬆︎山盛りのワッフルを見ることってこれからもうないかも。
山盛りのパン、ニシン、チーズ。そして、山盛りのワッフルクッキー。とにかく全部山盛り。チーズってこんなに黄色いんですね、最初、卵焼きかと思いました。
あと、ワッフルといってもベルギーのものとは違うらしく、薄焼きのワッフルクッキーにシナモン味のキャラメルが挟まっていました。八ツ橋味のスニッカーズの中身みたいな感じです。美味しいです。でも、夏場に治療した歯の詰め物が取れたので、注意。
⬆︎帰るときにいただいた、資料のデータが入っているUSBが可愛い!
⬆︎展示者ではないが、参加者の中でMicrosoftのHoloLensを紹介している人がいて体験させていただいた。現実空間に映像が映り込む点でVRとは異なるようだ。機器を覗くと、実際の空間の中でユニティちゃんというキャラクターが踊っていた。写真は体験する友人。
⬆︎いただいた資料。チュリーちゃんというキャラクターが可愛い。ちなみに、合言葉は「ゲームの力で世界を救おう!」
⬆︎講演会の時間。千葉大学の授業担当の阿部学先生の発表。お手伝いの学生全員で写真撮りまくった。
まとめ
講演会の中での紹介や、展示を通して、教育以外にも福祉の分野でゲームが使われていることを初めて知りました。ゲームは単なる娯楽ではない領域にまで発展しているのですね。本当に、近い未来にゲームで世界を救う日も来たらステキだな、って思いました。
また、ゲーム作りとサミットへの参加を通して、ゲームの印象がガラッと変わりました。教育ゲームだからといって、お堅いわけではないのね。楽しく学ぶための教材を作る立場になるって面白い。
何年か後には「ゲームばかりするのやめなさい!」じゃなくて、「今日のゲームを早くやりなさい!」なんて、お父さんやお母さんが叱る場面もあるのかな。面白そう。
今までゲームを消費する立場でしたが、作る立場になることで、遊ぶ人のことを考えるという新しいものの見方ができました。そして、さらに、ゲームの未来について考える場に参加させていただき、刺激的でした。関係者の方々、本当にありがとうございました。
⬆︎記念撮影した。自分の写真(左から二番目)、オランダの国旗ぽい色の合わせ方の服装だ。あと「足が開いている」と母から指摘された。ほんとだ。悔しい!